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家族でいく現代の阿房列車 Stories of "Aho" Railfan from Tokyo
鉄道は、たくさんの人たちをつないでくれる「道」だと思います。 This is a blog about railways in Japan and around the world by an enthusiast.
上州阿房列車(その3:上信電鉄折り返し)

さて、高崎からは、「阿房列車」の極致と言えるかもしれない上信電鉄の小さな旅、終点の下仁田まで1時間3分をかけて乗っていき、そこで何もせず9分間滞在して単に同じ線を折り返してくるというものです。


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高崎駅の外れから発車する上信電鉄、JRの中古電車が使われ、車内には地元のお店の広告がたくさん貼られています。1357分に高崎駅を発車、走りはゆっくりで、カーブも多くてよく揺れます。読書を続けている妻に「JRとは雰囲気が変わったでしょう」と切り出してみましたが、反応は薄くてそっけないです。それでも妻子に話題を振って、なんとか上信電鉄に関心を持ってもらえるようにします。車内もJRより空いているので、ゆっくり話をすることができます。


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幸い中小私鉄は、駅名も景色も地域に密着しておもしろいので、それなりに話題を続けることはできます。まず、小さい次男に話しかけます。「あの立派な橋は、上越新幹線の高架橋だよ」「そうか、あれに乗れば1時間くらいで東京から来られたんだね。」2駅目に佐野のわたしがあります。「渡しというのは、昔は橋が架けられなくて、船で川を渡っていた場所のことだよ」「そうなんだ、これは何川?」「わからないけど、利根川の支流かな」(後で調べたら、烏川と言いました)4駅目は高崎商科大学、教育好きな妻に注意を喚起すると、「結構、この地方ではレベルが高い大学ではないのかな。確かに立派な校舎が車窓から見えるね」とのことでした。


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車窓には水田が広がります。次男に「あれはお米だよ。もうすぐ黄色く色づいて、収穫されるんだよ」「日本の耕作地は大部分が田んぼで、お米が主食だよ」。長男は「あんな広い土地を何で持っているの」、それに対する妻は「農地は固定資産税が優遇されるから、維持されやすいんだよ」、私も「お米は日本人の主食で大事だから、米作農家には公的な支援が出ているからね」と、レベルの高い地理の授業のようなやり取りになります。


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細かく停まるので駅数が多く、11駅目は上州福島。「東北の福島が既にあるから、それと区別するために群馬県の旧国名の上州を付けている。このようなパターンの駅名は全国に多いよ」「そもそも福島ってどういう意味なのでしょう」鋭い妻の切り返しに、私は答えられませんでした。

 

13駅目は上州富岡、世界遺産の富岡製紙場最寄り駅です。15駅目は上州七日市、「七日市というのは、毎月7日、17日、27日に市が立っていたという意味だよ」。16駅目は上州一ノ宮、「一ノ宮とは昔の国の中で一番格上の神社があるということだよ」「国分寺みたいなものかな」「どんな神社か、明日見てみよう」。18駅目は南蛇井、なんじゃいというおもしろい読み方の駅名なので電車好きの長男が反応します。


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最後の一駅は急に景色が険しくなってきて、山間を列車は上っていきます。「上信電鉄の社名は上州と信州を結ぶ意味、つまり長野県の佐久までこの先も山を上っていく計画だったんだよ」「なぜ、実現しなかったの」「山が険しいのと、世界恐慌が起きてお金が足りなくなったせいもあったと思うよ」 というわけで20駅目の終点下仁田に到着しました。私は勝手に上機嫌になり、1本帰りの電車を遅らせて、駅前に停まっていたタクシーでこのあたりを少し回ってもらおうかと提案しましたが、家族にはあいにく断られてしまいました。


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家族の共通の感想は、昔の国鉄の107系電車のお下がりの座席はお尻が痛くなるということ、ただし妻は、「JR八高線などに比べても、ローカル私鉄の方がゆっくり走っていてまだよい」との多少好意的な評価を聞くことができました。これは、今後、例えば銚子電鉄などの中小私鉄なら大丈夫なのだろうかという期待を持たせる発言と、私は解釈したのでした。


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だいぶ疲れてきて、次男も「もう大詰めだね」と小学2年生にしては難しい言葉を発しました。高崎まで戻る頃、次男は「人生で一番疲れた」長男も「昔、普通列車を乗り継いでいった仙台、そしてムーンライトながらの次に今回は疲れた」とぐったりしています。最後の高崎から磯部までの信越本線の車内では、私は次男に時刻表の簡単な読み方を身近な山手線から東海道新幹線などを例に教えて時間をつぶし、それなりに楽しみかつ理解してくれたようでした。

 

そしてようやく磯部にたどりつきました。おいしい食事と温泉が待っており、みんなでゆっくり充電することができたのでした。

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旅や鉄道が好きな父が、家族といろいろなところに出かけています。よろしくお願いします。



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